2012年12月06日

ミラー

今回紹介の物品は兵士個人に支給された手鏡です。

補給品としての名称は「ミラー トレンチ グラス」と言い、ストックナンバーも付与されています。
例に漏れず多くのメーカーが様々なタイプの物を納入していました。

画像下になっているケース付きタイプは私物品になり、上にある3枚が官給品になります。
ミラー



赤いプラスチックフレームタイプの物で、中央2つは金属板を研磨した軽易な物になります。
ケース付きタイプはWW1から変わらない古い物になり、右の物はスタンドが付いています。

ミラー



この金属板を研磨した軽易な物は、写りこそ良くは有りませんが金属故に丈夫(割れない)ため野戦に向いており、WW1から使われていました。
また、世界各国の軍でも同様の物が生産されています。
ミラー



この赤いプラスチックフレームの物には大きさと色のバリエーションが有る事を確認しています。
色についてはカーキ色(OD)があり、映画「Saving Private Ryan」で確認する事が出来ます。
このミラーは金属板では無く鏡ですので、衝撃を与えると当然割れます。
前述の映画SPRでは実物を使っていますので、銃剣に引っ付けたまま投げ捨てるシーンでは勿体ない事に、確実に割れている事でしょう…。

ミラー



以上、手鏡について紹介しましたが、考察中にひとつ発見がありました。
それはこの手鏡が、平時では支給されていない可能性があったと言う事です。
この手鏡が支給されるのは、海外遠征する兵士に支給された物だったようです。

まず兵士個人に支給される品目表にミラーの記載が無いことが、本来の支給品目でなかったと言う事を示しています。
しかし、補給管理品目および補給管理ナンバーがある事から、官給品目として存在しており兵士に使用されている事実も有ります。

平時であれば普段の洗面は兵舎の洗面所で行うため、個人に手鏡を支給する必要性も有りませんが、海外遠征(戦地)であれば鏡が有る場所に必ず野営出来ないため、支給された物ではないでしょうか。



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Posted by Msg.Nakanishi at 22:48│Comments(0)ミラー
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