2014年10月12日

M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)

長く放置していましたが、再開します。
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)

今回の紹介は通称ミュゼットバックと呼ばれているM1936フィールドバックです。

このバックはWW1の頃から将校用バックとして採用されていた物が改良された物です。

WW1の頃の物は下1/3が革で出来ていましたが、型式名が示す様に36年からオールキャンバスに改良が成されました。
この改良で使用される生地が防水の物になっています。

元は将校用バックであったこのバックは歩兵の機械化により、機甲科歩兵及び車輌搭乗者に支給される様になります。
また、新設の空挺部隊も採用する事に成りました。

何故このバックが機甲科や車輌搭乗者、空挺に使われたか。
それまでのハバーザックはフルパックにすると、縦に長くなり車輌に乗車するのが困難となり、装甲車や車輌で行動する部隊では背嚢を絶えず持って行動する必要も無い為、サスペンダーと分離できるこのバックが都合が良く採用されたと思われます。
因みに歩兵は背嚢がサスペンダーの役目をしているので、サスペンダー単体の支給は通常有りません。

このバックは4タイプに大別出来ます。
以下1stタイプから3rdタイプまでを紹介します。

1stタイプ
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)
恐らくこのタイプを知っている人は少ないでしょう。
M1936バックの最初のパターンで、WW1からの将校用バックの流を汲んでいるのが分かります。
自分がこのバックの存在に気付いたのは、米軍教範の挿絵からでしたが、現物を確認出来たのは戦前の教育映画でした。

教範の挿絵
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)

M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)
背中のストラップにフックは付いていますが、調整出来ず縫い込まれています。
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)
表の蓋のストラップは一本のみです。
M-1936 bag canvas field od(ミュゼットバック)
背中のストラップと蓋のストラップ以外は皆さんご存じのバックと変わりませんが、生地が防水生地になっており、大分色褪せていますが元はカーキでは無くODです。
戦前のODはピーグリーンと呼ばれるWW1から使われているグリーンです。
カーキのバックなのにODと言う名称はこれが元です。

内側の上部にに有る謎とされるスリットについて、テントポールを入れたとする記載を目にする事がありますが、間違いです。
もともと将校用ですので、兵用と違いテントや毛布を携行するように作られていません。
(将校はベッドロールを運ばせる)
では何か?
将校用なので将校が装備している又は支給されていた物を見れば分かりますね。

続く






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